否定から入るブログ

いやそんなことないよ

Netflix版「西部戦線異状なし」

久しぶりにレビューを書いてみようと思います。

毎月1,500円払っているのに元取れてるのかな?

ってレベルでここ最近見てなかったですが

新着に「西部戦線異状なし」があったのでこれは!

と思いつい先程見ましたが…

西部戦線異状なし

言わずと知られたww1を題材にしたレマルクの作品ですが

私は白黒と70年代のカラーの映画を見たことがあります。

 

大まかな流れは大戦中期のドイツの学生が先生が生徒に愛国心を訴え

それに感化したまだ16~17の若者が戦場で英雄になって男になろうというところからスタート

実際には先生が言っていたような綺羅びやかな英雄譚のような戦場ではなく

ただ雨水でどろどろになった塹壕でひたすら砲撃に耐え

まるでラグビーにように敵と味方が陣取り合戦をする…

主人公たち学生にまるで父親のように戦場で役立つ情報を教える

面倒見の良いカチンスキー、通称カッテとの親子愛のような感情が生まれる。

そんな中どんどん一緒に志願した学友たちは戦死していき

最後は主人公とカッテだけが生き残る。

戦争が終わったらどうするかなど他愛のない会話をしているうちに

とうとうカッテも砲弾(航空機の機銃掃射?)で負傷してしまう。

主人公のパウルは励ましながら背負い野戦病院へ連れていくもすでに

カッテは息絶えていて入隊時から一緒にした兵士はみんな戦死してしまう。

それからはパウルがかつてのカッテのように15才ほどの学徒兵に戦場で生き残る術を教え、

なんとか彼らを生きて返そうと心に誓った。

そんな1918年の10月、あと1ヶ月で終戦というなんでもない日に

主人公のパウルは蝶に見とれつい捕まえようと塹壕から頭を出した瞬間

フランスの狙撃兵に狙撃され戦死してしまう。

 

その日一人の若者が戦死した。

しかしベルリンの参謀本部へ打電された電報は

西部戦線異状なし、報告すべき件なし

であった。

 

 

 

 

 

これが大まかな流れだったと思います。

すでに旧作は10年以上前に見たので記憶があやふやですが…

ラストに西部戦線異状なし、報告すべき件なし

ということで題名回収して、ああ「西部戦線異状なし」ってこういう意味なのかとわかるわけです。

人の死について無関心になることがこの作品の描きたかったことなんじゃないかなと。

よく8月15日の終戦の日に特攻で戦死したとか6月6日のD-Day当日に戦死ではなく

なんでもない日に若者が戦死することに意味があると思います。

 

なのにNetflix版「西部戦線異状なし」は11月11日の11時という休戦協定が結ばれるその時間に戦死してしまうのです。

それも大将が「お前らこのまま帰ってええんか?一旗揚げて英雄として帰らないか?」

というわけのわからないことを言い出して本来は予定にない攻勢に参加して戦死する。

もちろん、蝶は一切出て来ない。

そして司令部への打電の西部戦線異状なし、報告すべき件なし」もない

このラストだけは本当に許せませんでした。

じゃないと「西部戦線異状なし」のタイトルの意味が成さないのです。

監督と脚本はちゃんと原作を読んだのか?

どこに「西部戦線異状なし」要素がある?

これは原作へのリスペクトが全くない駄作です。

正直非常にガッカリしました。

Netflixといえば同じ戦争を扱った作品の

「リベレーター: 勝利へ、地獄の行軍500日」

もひどかった。まぁこれはタイトルからしてひどいのですが…。

これは別にNetflixが作ったわけではないですが「Overlord」もひどかった

タイトルからしてノルマンディー上陸作戦を描いた作品だと思ったら

確かにノルマンディー上陸作戦が舞台だけど実際にはただのゾンビ映画でした。

ノルマンディー上陸作戦を題材にしてこのタイトルつけるなよ…。

 

脱線しましたがNetflix版「西部戦線異状なし」はこのタイトルを付けなかったら

まぁよくある戦争映画かなと思いましたがただドンパチやって終戦の日に戦死する

世界一不運な兵士な話でした。

サンシャモン突撃戦車が出てたのでまぁ珍しいなということも含めて

3/10点です。